0.019 (第4話)

落ちていった。

母さんは眠りに。僕はどこに?

わからない。

 

派手に気を失って保健室に運ばれ、それからちょうど1週間経った。

先週と同じ、よく一緒に授業を受ける友達と、心理学概論のいつも慌てている教授の話を、ぼーっと聞いている。

今日は月末、30日。今月は変な夢を見て倒れるし、母さんの容体は心配だしで、多少の疲労感をためこんでしまっていて、正直、教授の話を真剣に理解しようとすることができずにいた。

 

「……ということです。えーっと、これは余談ですが…人間は無意識のうちに、後悔や焦りを感じていると、それが何らかの形で夢に出てくるわけですね。深層心理学における夢分析は…………」

 

僕はそれこそ無意識のうちに、目を見開いた。

気持ちの、心臓の、頭の、奥深くに、揺り動かされたような衝撃が走ったのがわかった。

 

えっ……どうしてこんなに動揺しているんだろう。どうして?なんで?この感覚、あの夢に似ている。自分に恐怖を、後悔を強いているような、あの夢の。

 

僕は…どうしてあんなことを……?

後悔しているんだ…いくら二回あるとはいえ、その代償…が……こんなことに……ごめん………どうして………

 

隣に座っていた友達が、おい、おいコンダ!どうした?大丈夫か!?と声をかけてくれたのが聞こえたが、返事をする余裕もなく、僕はまた気を失った。

 

(続く)